Pair Short & Free

あっという間にペア終了。
短いようで、とても長い長い時間のような2日間・・・。
オリンピックは夢・・・そんな言葉が何度も浮かんできました。

申雪&趙宏博は、きっと五輪のゴールドメダルを持たないことさえ忘れてしまいそうなすばらしいカップルだっていうことは、誰もが思っていることで、それと同じくらい、彼らにオリンピックチャンピオンの称号を冠したいと願っていた二人。

昨日の完璧なSP…。そう、あの二人(にしては)あれだけスピンも揃ってた!
でも一つ一つの技術の高さ云々を言うことだってすっかり忘れるほど、彼らの赤い糸が絡みつくようなあのユニゾンの美しさ。
正確…というのとも違うのですよね。もし二人があまりにも正確に完全な同一性を見せたら、あんなに暖かみや人間らしさを感じたりしないと思う。
洗練されたのに、どこか荒々しいような呼吸感が生々しく存在している。
自然な、個々で動くその隙が、力強い油彩のタッチのような美しさに思えるのです。

それでも緊張感はすごかったと思うのですよね。
そして最終滑走で迎えたフリーの直前の脈の速さが聞こえてきそうな表情。
でも、そのときに、きらりと笑った雪さんの美しさといったら…。

勝利は…あの笑顔が呼び寄せたような気さえしますよ。

ミスという濁りがひとつもない完璧な演技での金メダルがよかったかもしれないけど・・・。正直どーでもいい。
なにか、あのバランスを崩したリフトの腕の震えが、私は戻ってきたの重い重い決意ゆえのように思えて、あんなにも完全な二人なのに、どうしてもと願ってやまなかった輝きを前に目がくらんでるように見えて、とっても愛おしく感じられました。

なんて甘く愛おしい人たちなのかって、そこから泣きそうな気持ちになって。

素敵、素敵でした。幸せな瞬間をありがとうと言いたいです。


そしてパン&トンは・・・。
何気に好きな二人で、でもなんでかな?と思ううちに、このバンクーバーでは本当に洗練され美しいペアになっていました。
SPではパンちゃんがキラキラして見えました。あれ、フリーで来るんじゃないかな・・・とどきどきしたのですが、本当に・・・曇りない演技で!

パンちゃんが病気で苦しみ、事故のケガでトン君がバンダナしていたシーズンもあったし、なかなかうまく気持ちと技術が絡まないように見えちゃうときもあった。
だけど今回の二人はどこまでも澄み切っていて、トリノ後の世界選手権で金をとったときよりもずっと自信と信頼にあふれた二人があって、まぶしかったです。
演技後、トン君が感極まっていて、そこにパンちゃんが背中に手をやる様子に、観客には計り知れない二人の長い時間が見えるようで、ぐっと来ました。


カナダの2組・・・デュベ&デイヴィソンとラングロワ&ヘイも、ミスはありながらもそれぞれよく頑張ったなあ・・・と思わずにいられません。
アナベルさんたちはケガに苦しんでいたから五輪に出られるかはナショナルまでわからなかったけれど、勝ち抜いてたどり着いた舞台で、素敵な演技を見せてもらいました。バーケルコーチがアナベルさんを抱きしめたときは泣きました〜。PGも2本ともとっても好きでした。
デュベちゃんたちは、苦しかったと思うけれど、滑りや姿勢の美しさに加えて、キュンとさせられる表情や仕草に惹かれました。これからどんな風に輝くだろう・・・とどきどきさせられる魅力の種がいっぱい詰まった二人だと思います。フリーPGがまた・・・よかった!

今回はホント、すべてのペアに言葉を残したいほどに、それぞれのよさが見えてとっても清清しい2日間の戦いでした。
でも時間がないので・・・とりあえずこれにて。