programs

先日お友達と「今季はどのプログラムが好きか」という話をしたので、ちょこっとまとめてみようかと。


男子のシングルは、ジェレミーアボットの「8 Seasons」がとにかく気に入っております。ただ動きが綺麗、振付が素敵というだけではなく、冴えているのがつなぎの部分。いくつかのメロディを接いでいるにもかかわらず、エレメントとエレメントの間がごく自然に流れるために違和感なく展開を楽しめます。けしててんこ盛りの感じは出ていないし、動きのタメや強弱など、随分バランスがいいです。ジャンプにいたる流れは各所本当に素敵。
それからショーン・ソーヤーの「アマデウス」。なんて小憎らしいモーツアルトなんだろう!彼の得意な動きをこれでもかと詰め込んでいるのですが、それがかなりの特徴的であるのに自然という双方向で生きています。ジャンプ前のトリックもおもしろいし。しかも本当に映画「アマデウス」なんですよ、ソーヤー君が。サリエリが脅威を感じるようすまで想像しちゃう。最も印象がぐっと軽快ですけど。あれでカツラと衣装つけて出てきたらもう最高。ディヴィッド・ウィルソンは流れの途切れない聞かせるプログラムが本当にお上手ですね。

トマシュのピアソラのタンゴも素敵なんだけど、まだまだ完成されてないから今後に期待。小塚君はPG良いとは思いつつも、まだあまりワクワクと楽しめないところもあり、こちらも成長が楽しみ。

女子はジョアニーのアランフェスが一番好きですね。ジェレミー君と同じなんですが、つなぎ目つなぎ目に本当にセンスあるものがちりばめられている。彼女のジャンプのシャープさと女性らしいしなやかさ。スケーター自身の特徴を引き出して高めた感がある。
あとは鈴木明子さんのラ・カンパネッラ。FSの黒い瞳もかなり印象的なのですが、あのSPの鈴のような音をこれほど表現できるなんて、と感動したので。
アシュリー・ワグナーのSomewhere in Timeも素敵でした。2006年のマリパトの演じた映画そのものの世界観とはまた違って、新鮮な感じがありました。しぐさも非常に洗練されてきて、より印象的でした。

次点としては、アリッサ・シズニーのドクトルジバゴもいいのだけど、クリーンに決まったものをみたいという願望があります。でも彼女はこのような懐かしい映画音楽を表現するのにはうってつけの選手だといつも思います。サブリナならサブリナがいるようだし、ジバゴでは恋するララがいる。ヨナちゃんのSP死の舞踏/FSシェヘラザードともに素敵ではありますが、まだやはり完成されてないかなというところと、シェヘラザードは特にあとちょっとフットワークを加えてより立体感を出してくれたらいいなという願望もある。ただコテコテしすぎるよりはよほど素敵だし、シェヘラザードの世界観というより、曲の印象を生かしている中にキム・ヨナという主人公がいるのが面白い。
村主さんのSPも素敵だったのですが、ちょっと沢山の中に入ってくると印象が弱くなるのが難点。そしてプログラム全体では具体的なイメージが残りにくいのも難点・・・。勝ちにこだわったためのことなんでしょうけど、彼女の奥底をもっと感じたり、深みを感じさせてもらえたらほんとうはいいなと思っています。サラ・マイヤーは腰の悪化があって冴えた演技はできなかったながらも、プログラムはいつものように素敵。黄河は本当に優雅でした。

ダンスはたくさんは見ていないのですが、ファイエラ&スカリの月光が一番飛びぬけて好きです。あのほの明るい月夜に包まれるような演技は、何度見ても泣けてくる。それから当然、メリル&チャーリーのサムソン&デライア。引き込まれる演技でしたし、死に行くサムソンではなく恋する男、裏切りのデリラというより男のミューズのような女性をイメージさせる幻想的な雰囲気が本当に素敵。

ペアもまたほとんど見れていませんけれど、井上&ボールドウィンのIlluminationは静謐だけど情熱的で、今の二人だからできるようなやわらかく愛情溢れた演技にはただただ見ほれてしまいました。
次点としてはパン&トンのFSですが、なんといってもあの曲つなぎだけが問題・・・。

こんなところかなあ。