見心地のいい演技。

選手の演技は別の話。みんなそれぞれに演技の中で光るものが感じられました。
結局フリーは外で食事して帰宅してから録画を見ました。
スコア表は見ていないので、間違いがあるかとは思います・・・スコア表見るのがだんだん面倒になってしまいました。どうでもいいようにさえ思えています・・・。


男子

パトリックは残念ながら3Aに苦しみはしましたけれど、相変わらず流れるような演技。転び方がでっかいわりにしばらくするとそれを忘れちゃうんですよね。実は音を消して、彼の足元だけをじっと見てみたんです。それはそれは音楽的なものでありました。こういう楽しみ方を、実はたまにしてしまうのです。ただ以前にも触れたように、もうすこしふっとタメた瞬間とか、抜きの美が欲しいのです。本当に音楽と一緒に見てしまうとちょっと物足りなくすら思うのが帯・襷といったところ。

トマシュも瑞々しく美しいスケートなんだけど、彼が少しもったいないなあと思うのが、ジャンプをミスすると、プログラムがつどつどと止まってしまう。中盤のAdios Noninoのスローパートに入るところは、音の伸びやかさに染まった清清しい演技が見たいところなんだけどなあ。気の利いたいいプログラムだけに、あのちょっとした「あっ」て思うような瞬間が続くことで、きゅっと印象が縮まっちゃうのが惜しい。ステップなんかはパトリックよりも好きなぐらいなのだけど。世界選手権に全部そろってくれたらいいなあ。

ジョニーはまだ調子が悪かったのかな?スピードがちょっとないのと、後半は特に足が重そうに見えるのが気になりました。N杯のときと同じジャンプでミスってしまっていた気がする。くるくるくる〜ループのところ?いつもあの跳び方をしていると思うけど、この音楽にのせるととびにくいのかな?

ブライアンはフリー棄権でしたが、声援が飛ぶとなんだかちょっと気圧されたように見えましたが、それはいい男の証明だと思って、俺様演技をしたらさすがだったのだけど、コンボでミスしたエリックのときよりもずっと小さ目の演技になって残念。確か毎年国内選がGPFの直後だったと思うのですが、ケガ大丈夫なのかしら。はあ・・・。

ジェレミー・アボットはショートが全体的にスピードなく硬さもあって、情熱的なアダージョを見てみたいのにまだお預けなのね、と思ってしまったわけですが、フリーは滑るたびにより力強く優雅になっていくようです。メリハリがどんどん出てきたような。彼はダンスか何かの専門的な訓練を受けているのかしら。身のこなしがちょっと他の人とは違うくらいよく制御されて見えます。そして彼の音楽の表現の仕方は非常に好みです。このまま後半もプログラムを育てていって欲しいなあ。まだこれで完成なんていわないで欲しいもの。

小塚君は、全体的にいいほうだったと思うのですが、このメンバーの中に入ってくると若干印象が弱まってしまうと感じました。プログラムを見せる力はやっぱり大切。彼の滑りは綺麗なんだけど、ちょっとシャキシャキカクッとした感じがあって、流線型の演技の中でたまに気になることがある。

女子

カテゴリーのある2人はまたのちほど。それ以外の4選手。

中野さんはショートでやっと冴えたものを見れました。ずっとこのロマンスで彼女の演じたいところが見えず困ったのですが、今回はやっと恋する乙女が現れましたね。でもフリーも含めて、ジャンプの元気がない、といったらおかしいですが、ちょっと力ない感じがしました。フリーでは明らかに勢いがなくって、なんだか体が重そう・・・。最初の3Aはよくトライしたなあと思うのですが、やっぱり全日本で跳ぼうと考えているんでしょうか。とにかくまた元気な演技が出来るように・・・。ジャンプは3A以外もちょこちょこっと?なものがあって、点数の出方には覚悟したんですが、彼女もなかなか2本そろわないですね。でもエレメンツがすこしさえなくても、表情は常に笑顔って、中野さんには絶対必要だと思った。先のNHK杯で、やっぱり表情のあるなしは客席からでも雰囲気を感じ取るものだと思ったのですが、特に彼女は頬がふっくらしているから、笑っていれば頬が上がっているのがわかるんです。

安藤さん、ショートは毎回すこし慎重な感じがあって、印象を自分の中に残しにくいのです。フリーは「行くぞ」と感じられるスピード。最初に4S行った時、「四回転だ!」と叫んだ傍から伊藤みどりさんが3回転とおっしゃってびっくりしました。ダンナが「あの伊藤さんが言うから3回転じゃないの?」とけろっといったのですが、違う違うと言い張ってしまいました。スコアが出たときには4Sだといってくださいましたがあの瞬間を絶対逃して欲しくありませんでした。本当に残念。たしかに足りてないんだけど〜・・・。ジゼル像が見えなかっただけに曲を変えたのは正解だとは思うのですが、さすがにまだ全くぴんと来ない・・・。曲の中にエレメントを置いていっただけのようですから。曲が変わったけどパターンになりつつあるポーズもあり、ジゼルとあまり違う印象は受けなかった。3連続ジャンプの2回転二つはちょっと足りなそう・・・と思ったのと、あとひとつどこかで足りてなそう・・・と思ってますが、それでスコアが伸びなかったのかな。今シーズンずっと不調な気もするので体の調子がよくないんじゃないかと心配になります。スパイラルのポジションにしてもなんだか無理して見えるし、心配だなあ・・・。彼女の感想が最近「心配」ばかりになってしまったのもなんだか切ない。

そして安藤さんと中野さん、このメンバーに入ってくると若干滑りが気になってしまう。なんだか氷の質感がちょっと違うように見えてくるのですが、滑りを育てることってとっても大変なことなのでしょうか。

カロリーナは・・・今季はSPがまずうまく行きませんね。3-3の確率はだんだん落ちているようでもあり、ちょっと心配。SP・FSともちょっと硬い感じがありました。全体にぱらぱら突っかかりがあって、昨年から使っているFSは素敵なプログラムなのですが、なかなか楽しめないのが残念。かといって大きく崩れなくなったのでこうやって表彰台に上ってくるわけですが、沢山素敵なものをもっているだけになんだかもったいない。う〜〜ん、彼女にはもっと言葉を浮かばせて欲しいのに。

真央ちゃんは、SPが正直ピンと来なかったのですね。ミスはないけどこじんまりしたものに見えました。真央ちゃん好きのダンナも「小さい演技になっていけない」とかなんとかいってましたね。どうも彼女に関する感想ではダンナと一致することが多いです。3-3のセカンドがちょっとおかしな感じだったので、DGされそうに思いましたが、それでも印象よりは気持いい点数なのかな?という感じがしました。一番出来の悪かったエリック杯のときのほうが音楽のムードが出ていて、だんだんとそれがおとなしくなってしまっている感じがします。彼女のSPについて毎年私は同様の印象を持っています。昨年もその前も、一番最初に見たときが一番好きで、だんだん薄い印象になっていってしまう。皆さんは逆なんじゃないかと思いますが・・・。FSの3A2回はNHK杯の感想を書くとき、「次は絶対飛べそう」と書くつもりだったのですが、あれ、打ち込んだあとに消えちゃったのよね(涙)女子全部・・・(泣)。個人的にはやっぱりボイタノさん風に手を上げて跳ぶのはあまり好きではないのですが、ああやって何かトライすることがあるほうが彼女にはいいのだろうし、モチベーション上がるんでしょうね。全て上手くできた上にリズムもとり方が上手いし、誰にも出来ないものにも挑戦している。性格も明るく、勤勉。日本人の求めるスポーツスター像にかっちり当てはまったところがあります。