過日、ジェフの2008−09シーズンPGが発表されたわけですが、それについてのicenetwork.comの記事を訳してみました。ざざっと。
いつも申し上げますが、自分用の勉強でやっているので、おかしなところがあると思いますが、気づいた際には是非教えていただけますとありがたいです。

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Buttle preparing new programs in California


ジェフリー・バトルカリフォルニア州レイクアローヘッドでトレーニングを積んでいる時期、一日に何度か、彼曰く”大自然さんぽ”をする−−いや、言っておくが、楽しむためではない。必要あってのことだ。

その地でコーチのラファエル・アルトゥニアンとトレーニングする間、この世界チャンピオンが住処とする木々に囲まれたコテージでは、携帯電話で連絡を取ろうしても通じないようで、バトルは電波をとらえるために自分のブラックベリーを掴んで外に出るというわけだ。

「一歩左側に入りますね」 

icenetwork.com.がインタビューしている間、おかしな反響音があって彼の声をゆがめてしまうと伝えると、3度のカナダチャンピオンはそう言った。

バトルはコリオグラファーのディヴィッド・ウィルソンと、トロントで2008−09シーズンの新プログラムを作る作業を終えて、約1週間前にカリフォルニアへ到着した。

彼のショートプログラムは、坂本龍一作の、ピアノと弦楽からなる1曲に決まった。バトルは"May in the Backyard" と題された一片を「とても前衛的なスタイルでありながら、クラシカルな感覚も含んでいる」と表した。

「すごくクール。ディヴィッドにこの曲のことを聞いたら、大好きな曲だと。ところどころ戯れっ気あり、そしてまた別の部分はシャープな印象。僕の個性を引き出す曲。そして同時に、未だかつて僕が全くやったことのないものだ」

ロング・プログラムは「とてもクラシカルで、とてもクリーンな曲」という、イギリスの作曲家 Gerald Finziによる一曲。バトルは気づかぬうちこの曲をiPodに落としていたそうだが、耳にしたとき、急激にこの曲に惹き付けられたのだとか。"Eclogue(牧歌/田園詩)"というタイトルは、文学あるいは音楽による詩の一節を意味する。


今週バトルは、今週末行われる予定の、フィギュアスケートの有名選手たちが集い演じるSuperstars on Iceというショーの2回公演のため、韓国へ向かった。それから日本へ向かい、彼とともに女子の世界チャンピオンである浅田真央を看板とする4回公演のショーに参加する。バトルは韓国ではエフゲニー・プルシェンコエヴァン・ライサチェックも演技を披露し、サーシャ・コーエンが両公演とも参加する予定だと話した。

こんな形で世界中を旅することを、バトルが出場する北京でのカップ・オブ・チャイナや、願わくば戻らんとするソウルでのグランプリ・ファイナルなど、来たるシーズンに向けてのいいウォーミング・アップとして示すべきだろう。

カップ・オブ・チャイナはスケート・カナダの試合直後に連戦となるが、アジアに行ったときには時差で悩まされたことがないというバトルを少しも怖じ気づかせるものではない。

「帰り道では少しやられるかもしれないけれどね。ヨーロッパへ出かけるのはもっと障りあるんだよ。何でかよくわらかないけどね。最初の一晩は早く眠りすぎないよう努めると、僕の体はあっという間にスケジュールに適合してしまうんだ」 

2004年北京開催のカップ・オブ・チャイナで優勝したバトルはそう言った。

バトルはまだいまのところ夏の試合には参加していない。それよりも自分のプログラムがどれだけ発展するかを見守る方がよいのだ。もし試合に出なければならないとしたら、8月中旬にトロント地区で開催されるソーンヒルの試合になるだろう。

アジアから戻った後、バトルはさらに数週、カリフォルニアでトレーニングして、地元オンタリオ州バリーの練習地に戻るが、バリーでは8月7日に毎年恒例となった地元病院への寄付を募るマリポサ・ガラに、スター候補生のキャストと一緒に演じることになっている。

「今年のショーはとても特別なものになるはず。すばらしいスケーターたちがたくさん演技する予定なんですから」
彼はそう強調した。

バトルはカナダでマリポサスクール出身の3人目の世界チャンピオンだ。一人目はブライアン・オーサー、そしてエルビス・ストイコに続いてのことだ。

「クレイジーだ、ほんとに。スクール全員の名前がボードに書いてあり、その国際試合と国内での結果が記載されている。あのバリーのクラブに所属できたことは本当にクールなことなんだ」
と、バトルは言ったが、彼自身の戦歴、先の3月に世界的な勝利を残した結果はまだ更新されていなかった。

「ひょっとして2010年のオリンピックが終わるまで待っているのかもしれないよ」 
バトルはくすっと笑って見せた。


バトルは延々問われる四回転ジャンプをレパートリーに加える意志があるかという質問に答えて、この夏後半、一旦選手権に適する身体強度を取り戻したら、そのジャンプの練習を集中して行うだろうと語った。ISUのルール変更−−クワド成功時のポイントを上げた一方、試みて失敗した際には今まで以上に大きな減点となることを含んだ−−に絡んで、バトルは自分の四回転ジャンプを失点のリスクが問題外となるくらいに精度を上げたいのだと言う。

これまでのところ、バトルのこの夏のハイライトは、アイダホ州サンバレーで、伝説となっている夏のアイスショーの一つにおいて、屋外リンクでパフォーマンスをしたというものだろう。先週末のこの新たな経験に関して彼は「ホントに素敵だった、とにかくクールだった」と表現した。

バトルが屋外で滑ったのは、昨年の12月にバリーで毎年恒例の屋外リンクがオープンしたとき以来のこと。外は摂氏−20度の寒さだった。

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ということで・・・。
ジェフリー・バトルさんの08−09プログラムが

SP M.A.Y.in the Backyard (坂本龍一)

FS Eclogue (Gerald Finzi

ここでEclogueのスコアが一部見れます。


SPの選曲にはやられたなあ・・・。坂本龍一の音楽を積極的に聞いたことがあるわけではないですが、シェルタリング・スカイやリトル・ブッダ、ラスト・エンペラーなど、映画音楽では何度も耳にしていますし、CMでモノクロームの交差点で弾く姿が印象的だったりと、フツーに好きなわけです。ジェフリー・バトルに滑ってほしい音楽となると、彼の音楽が候補に挙がってくるくらいだし・・・。
ただし私の好きな曲の偏りもありますが、イメージするのはいつもメロディが陰鬱さをやや含んで、少し悲しげ、優しげといったものなので、自分の中の予想外が大きすぎて、曲を聴いて手を打って笑ってしまいました。

「猫が裏庭で遊んでいる様子」の曲だと聞きましたが、本当に猫じゃらしで飛び跳ねてる感じの音とかある。

これを誰かがスケートで滑る想像できない!確かに・・・ジェフの音楽ですね。
挑戦的で非常に楽しみなんだけども、いったいどこでジャンプを飛ぶの?いえ、どこでも飛びそうだからこそ、えらくタイミングが難しそうよ。どういうスケートになるか、全く想像できない。

対してFSの"Eclogue"・・・これは出会わせてくれてありがとう、といった曲。
ただ美しく、涙が出そうになる旋律なのですが、これだけ静かな曲を滑ることができる人もそういないだろうし・・・闘争心とはまるで縁遠いこの曲を、選択してしまう彼がにくい。

その足で、この音楽が奏でられる瞬間が待ち遠しくてなりません。

ところで文中、"Buttle takes his Blackberry outside"という文が出てきて、「??」だったのですが、リンクを張ったようにカナダの携帯電話でそういうのがあるのですね。ブラックベリーを摘みに行くのかと、何のこっちゃと思ったもので・・・。
しかも、この電話、友人が会社ケータイで持たされていたわ。ちっちゃくてメールが打ちにくいといってましたが。